相談相手がいるとストレスは緩和できる

自分の周囲にあるストレスを緩和してくれる資源を緩衝要因といいます。介護現場での緩衝要因の一つは、相談できる人間関係です。困ったことがある時、介護リーダーなど上司に安心して相談することができるか、あるいは同僚に対してはどうかを考えていきます。職場における人間関係は職場を辞める理由においても、職場における満足度においても上位を占めるものです。実際に介護離職の一番の原因は人間関係で、人間関係は良きにつけ悪しきにつけ、仕事の継続にかかわる重要なものです。

ストレス緩和のために人間関係をよりよくしたいところですが、まず人間関係は相手がいることが前提のため自分一人で改善するには限界があります。しかし、自分なりに周囲といい関係を作っていく努力をすることは必要です。ただし、周囲との関係をよく保つために、自分自身が我慢をしたり、遠慮したりして周囲に合わせることは、ストレスを生じさせるので好ましいことではないとされています。自分も無理せず相手も無理させず、自分も相手も大事にするようなより良い関係を作っていくのが理想です。そのためには、アサーションを学んで身につけることが大切です。周囲の人との人間関係を良い方向に変えていけます。

また、仕事をより良く続けていくためには、職場と同様にプライベートの人間関係も重要です。家族や友人、知人、隣近所や独身の人なら恋人との関係などです。緩衝要因として、プライベートの人間関係がその役割を果たしてくれるのは良い傾向になります。一方、それがストレッサーとなっているのなら、自分たちだけで解決するのは限界があるため、職場の上司や友人、専門職に頼るなどして対応していきます。